ペーパーアイテムの校正責任
先日、某大手結婚式場から新規取引依頼のお話をいただいた。
ペーパーアイテム業界の価格競争にもまれている中で、こちらの卸価格も受け入れてくれた模様。
規模の大きさにスタッフとも期待が膨らみ、前向きに事が進むのかと思いきや、突然壁にぶち当たる。
その壁とは
「校正責任」
従来、式場から原稿を頂き、それを当店でデザイン、レイアウトを作成し、式場と新郎新婦様に確認してもらうという作業が発生する。
いわゆるその校正確認を、式場は一切しないという。
新郎新婦が式場内のマイページで原稿を作成し、その申込書通りにただ印刷してくれるだけでいいという。
万一、誰が見てもわかる間違いに気づいたとしても、指摘せずにスルーしろ、と。
これが弊社と業者間の取り決めです。
他の業者もそのようにやっていただいてます。と…
え??
いやいや、無責任にも程があるのでは?
「それは、当店のポリシーに反する」と伝えると、それを指摘して直したりを繰り返したりするのは、業者の手間になり面倒だとか、
逆に気づけなかった場合に、お客様から「何故気づいてくれなかったのか」とクレームになるとか何とか…
だから、原稿間違いは100%お客様が悪く、お客様に費用負担をさせるとか。
それは、あくまで業者を守る為だとか…
うーん……
良いように聞こえるけど…
……訂正が面倒?
それが私たちの仕事でしょう?
当店はこの10年、一般のお客様から直接注文を頂いてきて、それらを捌いてきた。
訂正回数も制限は設けてないし、訂正を面倒だと思ったこともない。
婚礼印刷物の作成マナーを知らない新郎新婦に、間違いを指摘してあげることもある。
何故ならそれが私たち専門店の仕事だから。
校閲作業は、素人だと見落としが多々あるのは事実で、それをお客様に押し付けるのは筋違いでしょう。
取引依頼の営業をしてきた式場の窓口担当者は直接新郎新婦に接する部署の人間ではないみたいだったが、一つだけ、確認したいことがあった
「今の仕事は誰の為にやっているの?」
「誰を喜ばせたくてやっているの?」
少なくとも会社の利益や業務の手間を省く為だったり、責任逃れをしたいとしか思えなかった。
「Blue&Whiteは、あくまでお客様に喜んで頂けるサービスが目的であり、そのベクトルが同じ方向を向いていない会社とは、会社の規模は関係なく取引できません。」
…と、言いたかったが、小規模事業者の私にそこまでの勇気はなく
「当店ではその条件は受け入れられません」
と、当たり障りなくお断りをした。
「ペーパーアイテムは式場に頼むのが安心」
そんな時代はもう、過ぎ去ってしまったのかもしれない。